伊勢志摩国立公園内の4市町

■指定 昭和21年11月20日

■面積 陸域:55,544ヘクタール
    海域:19,100ヘクタール

■市町区域 伊勢市、鳥羽市、志摩市、南伊勢町

■特徴 リアス海岸を形成する日本有数の海の国立公園。南海には黒潮が流れ、気候が温暖で、温暖性の常緑広葉樹や南国に咲く海浜植物などが多く見られる。

沿革

伊勢志摩国立公園は、昭和21年に戦後初の国立公園として指定を受けました。
瀬戸内海国立公園や西海国立公園などとともに数少ない海の国立公園です。この公園の位置する志摩半島は、
リアス海岸と呼ばれる複雑に入り組んだ海岸線を形成しています。

南に面する熊野灘には黒潮が流れ、一年を通して気候も温暖で、特に降霜期間が短いのが特徴です。
内陸及び海岸部の社寺有林には暖帯性の広葉樹が茂り、海辺にはハマユウやハマナデシコなどの海浜植物が見られます。

動物・植物

熊野灘沿岸の海岸線には、岩礁帯が良く発達しており磯観察に適しています。
中でも潮間帯(満潮線と干潮線の間)の生物群集は変化に富み、カメノテやフジツボの仲間が多く見られ、
特に干潮時の転石の下にはゴカイ・ヒラムシ・巻貝・ヤドカリ・カニ・ウニ・ヒトデの仲間などの移動性動物が
集まるので磯観察に最も興味が有るところです。

また干潮時にできる潮だまり(タイドプール)にはモエイソギンチャク・イソスジエビ・ドロメ・アゴハゼ・キヌバリなど
が見られ、磯の縮図とも言える独立した生物共同体を成しています。

熊野灘に面し、潮風を強く受ける崖地では、わずかな岩の割れ目、すき間、くぼみに紀伊半島固有種のキノクニシオギクや
キノクニスゲをまじえたアゼトウ・ハマカンゾウなどの耐塩性の強い風衝草原群落が発達しています。

さらに草原上部にはツワブキやハマアザミをまじえたウバメガシ・トベラなどの硬葉低木林がみられ、
これらは絶えず強い潮風にさらされて、特殊な景観を呈していることが多くなっています。

鵜倉園地「かさらぎ展望台」から「奈屋浦漁港」を見渡すことができます。

三重県度会郡(わたらいぐん)南伊勢町は
2005(平成10)年10月1日に隣接する度会郡の東側の南勢町と西側の南島町が合併して誕生しました。

五ヶ所湾等のリアス海岸を有し沿岸部は伊勢志摩国立公園に含まれています。
人口15,000人弱(2015年2月現在)の町で漁業が主産業で遠洋漁港の基地港も多く、
養殖も盛んで山間部ではみかんの栽培もおこなわれご箇所みかんの名で知れ渡っています。

 

南伊勢町の南側は熊野灘に面する典型的なリアス海岸で、245.6kmにもおよぶ海岸線が続いて、
その海岸線を中心に、町域の約6割が伊勢志摩国立公園に指定されています。

豊かな自然、新鮮な海の幸、山の幸がそろう人気の観光スポットです。標高191m、伊勢志摩国立公園特有のリアス海岸など
大自然が満喫できる鵜倉園地には、「あけぼの」「かさらぎ」「見江島」「橘」という4つの展望台があります。

自然が織りなすハート型の入り江は、恋人たちのプロポーズや結婚にまつわるパワースポットとして知られていて、
4つの展望台から見える景色は異なり、海の色や周囲の自然は季節によって変わる表情は圧巻です。